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L'Appréciation sentimentale 2

映画、文学、漫画、芸術、演劇、まちづくり、銭湯、北海道日本ハムファイターズなどに関する感想や考察、イベントなどのレポート

伊藤若冲展@東京都立美術館

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先月東京に行ったときに、若冲展の前売りチケットを買ったところ、4月22日から開始なのに、なぜか4月22日までだと勘違いしてしまい、いざ都立美術館に行ったら、まだはじまっていなかった、、、という痛恨のミスをしてしまった。買ったチケットを無駄にしないためにも、会期終了までの間にどうしても東京に行く必要が出てしまった。

というわけで、先週金曜日にムリヤリ東京都立美術館の若冲展に行ってきた。

特設サイトにはとんでもない待ち時間の情報が連日アップされていて、悪寒が止まらなくなる。GWを過ぎてから平日だろうが悪天候だろうが一切お構いなく、連日240分待ちが当たり前になり、ひどい時は300分待ちなのはビビった。そして大いに呆れ果てた。これから会期終了までは待ち時間が長くなることはあっても短くなることはない。まあ、こんなに並ぶのも一生のうち何回もないだろう。
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そう覚悟を決めて勇気を出して、上野公園に向かうと、係の人が掲げている看板は時間が210分と、思ったよりも少し短かった(210分で短いと感じてしまうところが、感覚がクルった証拠だ)。事前に行列のことを知らずに210分という看板を見てあきらめる人も多く、かなりの人が落胆してUターンしていった。私が並び始めたのが14:15前後。列の途中にトイレもあったので、列をけるときは周りの人に声を掛け合いながら場所を確保しながら用を足すこともできた。気温はやけに低く、もう一枚着込んだ方がよかったと少し後悔。並びながらも、文庫本二冊を交互に読み進め、およそ両方半分くらい読んだところで入室となった。時計を見ると17:50くらい。長いのか短いのか、感覚が大いに狂う。

これまで都立美術館では、フェルメール、モネ、スーラといった西洋美術の展覧会ばかり見てきたので、日本画家の展覧会は実に新鮮だ。動植綵絵釈迦三尊像が展示されている円形の部屋に入った瞬間、とんでもない感覚に襲われた。もう絵から放出されているエネルギーの高さにクラクラとして倒れそうになった。円形にぐるりと囲まれているから、よけいに全身に波動をビンビンと感じて、それがとてつもない快感を感じてしまう。
絵の持つアウラとでも言おうか。
これは画集を見ただけでは味わえないだろう。
絵が展示されている空間に身を置くことで味わうことのできる、シャワーのようなものだ。

若冲はどんな魔術を使ったのだろうか?

 一つ一つを眺めるのにはあまりにもごった返して、じっくり見るのは難しかったが、精密に描かれた梅、鳥、鶏に、若冲特有の一ひねり効かせた奇想、森羅万象の一瞬の輝きを鮮やかに切り取った構図と、そこに釈迦三尊像がアクセントとなって、生命の躍動の影にはかなさがあることが暗示させられる。

210分待ちだろうと、300分待ちだろうと、並びたくなるのは無理もない。いや、300分待ちでも短すぎるのかもしれない。これを逃したら、300分どころか、何百万分待っても鑑賞することが不可能だからだ。凄まじすぎる。

今日で最終日。果てしなく長い行列ができた場合の対処は、今後の大きな課題だ。