L'Appréciation sentimentale 2

映画、文学、漫画、芸術、演劇、まちづくり、銭湯、北海道日本ハムファイターズなどに関する感想や考察、イベントなど好き勝手に書いてます

井上浩輝写真展@カフェエスキス

小、中学校時代の同級生であり、2016年に日本人で初めてナショナルジオグラフィックで最も優れている写真20枚の中に選ばれた井上浩輝氏のトークイベントが開かれるということで、札幌の円山にあるカフェエスキスに行ってきた。せっかくクラスメイトの晴れの場なので、当時の同級生にも何人か声を掛けてみたところ、歌手としてライブ活動を精力的に行っているいくもまり氏も応援に駆けつけてくれた。

彼と最後に会ったのが1999年で、なんという偶然の巡り合わせなのか、彼はカフェエスキスの入っているビルのマンションの一室に住んでいた。今も覚えているのだが、99年の文化の日に、中学時代のクラスメイトが10人くらい集まり、ワイワイやったのが最後である。その後彼は新潟に行ってしまって、以来十数年以上も音信不通になってしまった。その間に、彼は世界的なフォトグラファーとして故郷の札幌に凱旋してきたわけである。

カフェのドアを開けてテーブルにいた彼の方に近づいていくと、ぼくが誰かがすぐにわかったようで、「久しぶりだね。来てくれて嬉しいよ」と本心から喜んでくれたようだ。やはり来てよかった、と心から思えた。数年前にFBでつながったものの、再会まで17年以上もの歳月が流れてしまった。最初は会話に若干のたどたどしさは感じられたものの、すぐに歳月の空白感は消滅し、つい先日も顔を合わせたような、そんな気持ちになった。

トークでは写真家になったこれまでの経緯が語られた。カフェエスキスに入っていたビルに住んでいたため、いつかはここで自分のイベントを開催してみたいと思っていたこと、医者、弁護士になろうとしていずれも挫折したものの、カメラを入手したことをきっかけに写真家になるべく撮りまくったこと、東川町がまちを挙げて写真をテーマに取り組んでいるとは知らずに婚約者と一緒に移り住んだことなど、辿ってきた人生の足跡を聞いただけでも、その不思議な巡り合わせの連続に驚きを感じずにはいられない。

彼は北海道の動物、とくにキタキツネや熊の写真をメインとして撮影している。スライドで次々と映し出されるキタキツネの写真は、どれも北海道在住ながらこれまで見たことのなかった表情のキツネばかりで、こんなにもキツネの表情は雄弁で豊かなものだったのかと感心した。代表作である「たとえ君がどこへ行こうとも、どこまでもついていくよ!」と題された、雄のキツネがメスをすぐ後ろから追いかけているキツネの表情は、お互いに愛おしくてたまらないというのが伝わってきて、実にチャーミングでかわいいと叫びたくなってしまう。↓はポストカードである。

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トークイベント終了後は、近くのファミレスで閉店近くまで3人で談笑。中学卒業後20年以上経ってもこうして集まって昔話に花が咲くのは、人生のかけがいのない宝の時間だとしみじみと感じた。三人それぞれの人生で得てきた経験は全く違うが、小中学校時代に教室を共に過ごした友達と再び巡り会える幸せは、何にも代えがたいものである。またの再会を誓ってタクシーで解散。今後の活躍が楽しみだ。

なお、このトークイベントには某番組の取材カメラも来ていて、大いに驚いてしまった。詳しいことはまだ言えないが、近々予告が解禁になったら告知させていただきます。

写真展は1月31日まで。
詳しいことはお店のウェブサイトにて。ぜひ行ってみてください!
http://cafe-esquisse.net/gallery/index.php