L'Appréciation sentimentale 2

映画、文学、漫画、芸術、演劇、まちづくり、銭湯、北海道日本ハムファイターズなどに関する感想や考察、イベントなどのレポート

ABD読書会(北海道初上陸??)@オノベカ

先月ころ知り合いのS氏からABD(Active Book Dialogue)読書会って知ってる?という連絡が入った。いったい何のことだかさっぱりわからなかったが、どうやら新しいスタイルの読書会を北海道で行うとのこと。課題本は何がいいか相談を受け、いろいろなやりとりがあった末に平田オリザ『わかりあえないことから』(講談社新書)に決まった。発売されてすぐに読んで大いに共感した本であるが、読了してから数年経ったため、復習のような気持ちである。講師は大阪の三原さんで、会場はオノベカである。

読書会には様々なフォーマットがあり、大きく二つのやり方に分かれる。事前に本を読むか読まないか、だ。事前に課題本を読んでから行う読書会は、ディスカッションや感想を話し合うもの、報告者がレジュメを作ったりパワポで内容を詳細に解説する講義形式といったやり方が一般的だろう。事前に本を読まないで行う読書会は神田昌典さんが提起しているRFA(Read For Action)のように、本をぱらぱらめくって目についたキーワードを付箋に書いて全員でシェアするといった方法だ。どちらがいいかは、本の性質や、参加者の読書履歴、読書スキルなどによって好みも変わってくるだろう。

筆者は両方の読書会に参加したことがあるが、このブログでも何度か紹介した学習塾はるにて行われている読書会のように、事前にガッツリ読んでから一時間みっちり論点に沿ってディスカッションする形式にすっかり慣れており、個人的にも読了してから行う読書会の方が断然好きである。そのため、事前に本を読まなくてもいいメソッドであるABD(Active Book Dialogue)読書会には少々抵抗もあった。

ABD読書会の方法は、本を章ごとなりに裁断して紙の束にして(裁断することに抵抗があるなら、全員が本を持ち寄ってもよい)、参加者が好きな束を選択して各自のパーとを決める。次に制限時間内に自パートの束を読み、A4の紙数枚にエッセンスなり重要な部分を自分なりにサマライズしてマジックで書き込む(形式は自由。イラストを交えても良い)。A4の紙を章ごとに順番に壁に貼って、リレーのように各パートの担当者が順番にプレゼンして内容を説明するというやり方だ。


最初に練習代わりに、冒頭のはじめにと第一章でABD読書会を行い、次に第二章からあとがきまで通して行った。

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実際にやってみると、さらに紙にわかりやすくアウトプットするため、必然的にどこが重要なのかを考えながら自分のパートを深く読む必要がある。さらにはプレゼンの技術も必要なので、なかなかハードだ。実際にみんなのリレープレゼンを聞いていると、それだけで一冊の本の流れがつかめたような気になる。

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プレゼンの後は、A4の紙をざっと見渡して、気になったり面白かったA4の用紙に付箋をつけてピックアップして、各用紙ごとに分かれてみんなでディスカッションをして気づきをシェアして終了である。会場の都合の関係で、ディスカッションの時間がほとんどとれなかったが、なかなか面白いメソッドだと感じた。パラパラめくるだけの読書会に不満のある人にとっても大いに有効だろう。じっくり読んでから参加すると、理解も深まると思う。

一回体験してみると、二回目以降は時間の短縮が可能だ。ABD読書会は一回だけで一冊を無理に行う必要はなく、一章を全員で分担しながら何回も行って一冊を読了してもいいし、本の難易度や参加者の都合に応じて好きなようにやればいいとのことだ。小説や学術書でも使えるらしいが、果たしてミステリーでやってみるとどうなのだろうか???

さらにはビブリオバトルを行って、チャンプ本でABD読書会を行うといいのでは、なんて案も出た。これをやるとなると半日近くかかりそうだが、本を使った学びとワークショップとしては大変面白いメソッドである。版権フリーとのことなので、現在普及活動中とのことだ。