L'Appréciation sentimentale 2

映画、文学、漫画、芸術、演劇、まちづくり、銭湯、北海道日本ハムファイターズなどに関する感想や考察、イベントなどのレポート

福岡天神エリア(とその周辺)の書店を探訪 ブックスキューブリックけやき通り店&Rethink Books

地元以外の都市に行く場合は、たいてい書店や古本屋を巡ることにしている。以前はよく喫茶店を巡っていたものだが、たばこの煙がすっかり受け付けなくなり、自然と喫茶店への足が遠のいてしまった。今やどこに行ってもまち中のカフェがスタバ、ドトールタリーズサンマルクカフェなど、全国どこにでもあるチェーン店ばかりで、代わり映えしない感じがある。なので、自然と足が書店に向かうようになった。書店と言っても全国に展開する大手のチェーン店よりも、こじんまりとした個人経営の小さな書店や地域独自で展開している中型書に注目している。


先日訪れた博多の天神には、個性的な書店がたくさんある。ジュンク堂はもちろん、岩田屋に入っているリブロのような大型書店も楽しいけれども、博多駅構内のブックスタジオとか、天神のソラリアにあるメトロ書店のような、福岡にしかない書店にいくのは、なんともいえない趣がある。また新天町のアーケードには積文館書店や金文堂など、限られたスペースにいかに品揃えを工夫しているのか、品揃えを眺めるだけでもとても楽しい。最近も紀伊國屋書店が天神に進出しており、天神の書店は過密な戦争が勃発している。

今回福岡で初訪問した書店は三店。けやき通りにあるブックスキューブリック、そして期間限定で天神近くにオープンしているRethink Booksである。もう一つ訪れたのは天浪院書店福岡店だが、ライブイベントで貸し切りだったため、書店としての営業が行われていなかった。代わりにドリンクのチケットをいただいたので、次回博多来訪時に立ち寄ることに決定!いい店だ!

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地下鉄赤坂駅から徒歩十分も歩くと、けやき通りにたどり着く。ちょうど夕暮れ時で、ほのかな橙色のランプに照らされた並木が歩道に豊かな彩りを添えて、とてつもなくおしゃれな雰囲気を醸し出している。店の中も白い蛍光灯ではなく、暖色系を基調とした色調でとても落ち着いた空間である。私が滞在した時間にはひっきりなしに客が訪れ、地域に根ざしているのが感じられる。新書を一冊購入。店を訪れたある高齢者も「○○ってある?」と店員さんに熱心に質問していた。いくらネットやスマホが発達しても、Amazonのようなネットの書店を利用できない人は多い。

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ブックカバーがおしゃれだ。本屋の需要はまだまだあることを実感。

 

そして、後日訪れたRethink Books。
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天神から宿へ向かう途中に通りかかった際、偶然存在を知った店である。どうやら昨年5月から一年間の期間限定営業で、新刊書を扱う店舗であり、2017年5月31日に営業を終了する。ここの品揃えには心底驚愕した。人文系、特に海外文学を中心に、恐ろしくマニアックかつすばらしく充実した品揃えである。相当深い知識を持っている店員さんが棚を作っているのはまちがいない。テラスのような建築様式で、猛暑でもこの中にいれば涼しげな森の中にいるような、そんな気分がしてくる。表の棚にはフィリップ・ソレルスの『女たち』(河出文庫)が新品で、しかも自由価格本で置かれていたので、迷わずゲット!買い逃していたので超ラッキーである。購入すると、ドリンク700円分のサービスを受けたので、有機栽培のほうじ茶を注文した。実に心がホッと落ち着く飲み物である。

Rethink Booksでは夜に連日様々なイベントも行われるようで、芥川賞作家でピースの又吉やあの藤村忠寿氏のトークが月末に行われるようである。本の実売だけでなく、本を通したイベントを行う劇場型書店のすてきな本屋である。建築様式の店舗は寒い北海道では不可能に近い。

小さくても品揃えを工夫して頑張っている書店の工夫に目をこらしてみよう。きっと、思いがけないほんとの出会いがある。