京都の大垣書店、葵書店、恵文社へ
ひょんなことから京都に行くことになった。当初は今春から京都に異動した師匠に会うためだったが、残念ながら師匠の予定が会わず、13年ぶりとなった師匠との再会は叶わなかったが、それでも帰りの飛行機は京都に行くためのスケジュールで確保したため、せっかくの機会なので、京都の書店を巡ってみた。
目的地は、よく雑誌で紹介されている恵文社である。近くの一乗寺駅からストレートに行くよりも、地下鉄で少し歩いて散策していろんな書店を立ち寄ることにした。
最初は北大路駅近くの大垣書店本店へ。4階建てで、最上階にはギャラリーが併設されている。スペースの割りに人文書の密度が非常に濃い。文庫の品揃えのセンスもいい。単なる書店ではなく、書店員が独自に店を作っていくという工夫が感じられる。こういう本屋が京都に根付いているのはさすがだなと思う。
そのまま西へ歩くと途中に葵書房がある。こぢんまりとした、昔ながらの風格が漂う書店で、文庫本を数冊抱えている来店者がいた。こういう客がいるのを見ると、まだまだ読書の灯火は消えていないのだと大変心強い。書店にとっては今は大変厳しい時代だけど、いつまでも生き残って欲しいなと思わずにいられない。
そしてついに恵文社へ。結構な距離を歩いたが、京都の町並みはのどかで、碁盤の目で山も近いのを見ると、札幌をそのまま縮小した感じのように思えたので、さほど疲れは感じなかった。薄暗い店内に照らされたランプが光る外観は、昔ながらの喫茶店か、はたまた雑貨店のような佇まいを見せている。一見すると本屋とは思えない店だが、確かに本のセレクトショップと銘打っているように、個性的という言葉では言い表せない品揃えで勝負している。ジャンルも多彩で、この店で始めて目にする本も多数並べられている。
ここでは『qtμt 』(キューティーミューティ)1巻を購入。実は作者のふみふみこさんと原作者のさわやかさんが来札されることもあって、ちょうどよい案配。ありきたりなヒット作ではなく、密かにクォリティーの高い、それでいながらまだあまり知られていない本を平積みして並べるセンスが最高だ。書店とは、店員のレベルとデザインセンスの反映なのだなぁとつくづく思う。
地元にない書店で本を買うときの楽しみは、ブックカバーである。大手チェーン店とは違うカバーを巻いてもらうと、なんだかコレクションをしている気分になる。それだけでも、いろんな書店に行く価値があるというものだ。
恵文社近くには、さきほど寄った大垣書店の高野店がある。こちらはカフェも並列されている。せっかくなので、休憩代わりにオレンジジュースを注文。京都はまちの規模の割りに、書店の密度が高いように思えるなぁ。そういや『夜も短し歩けよ乙女』でも古本を巡エピソードが登場したし、歴史的にも学術的な文化がまちに色濃く反映されているのかもしれない。他にも三月書房とか、ガケ書房あらためホホホ座、天狼院書店京都店など、訪れてみたい書店があったがタイムオーバー。しかも天狼院書店は福岡に続き、京都でも臨時休業。またの機会に訪れたい。