深海&ブリューゲル&チェーホフ
しばらく更新が滞ってしまった。しかも3ヶ月!
新しい作品執筆のための資料読み(膨大にありすぎてめまいがする!)や来年(2018年)1月に行う予定のイベントの企画、各種読書会などいろいろあった。
その合間を縫っていろいろと各地の展覧会にも出かけてきた。地元の札幌国際芸術祭や、上野の科学博物館の特別展「深海」、国立国際美術館のブリューゲル「バベルの塔」展、北海道文学館のアントン・チェーホフの遺産など、いろいろな分野を巡ってきた。
深海展で展示されていた3.11でできた亀裂を研究する海底探査に驚き、ブリューゲル作「バベルの塔」のあまりの緻密さには驚愕し、チェーホフが19世紀に訪れたというサハリンの歴史について自分のあまりの無知ぶりに呆れ果てた。どれもこれもあまりにも知らないことを思い知った展示であった。新しいことをいろいろ学べるって本当に楽しいね。
バベルの塔が当時の建築技術や生活様式まで描かれいたとは、画集で見るだけだと全く気がつかなかった。現物を解説付きで生で鑑賞すると学びの深さの桁が違うものだと改めて確認。
サハリンなんて北海道と目と鼻にありながらも、旅行や渡航として完全に欠落している島というか、存在を無視しているかのような扱われ方である。観光資源に乏しいというだけでは説明がつかないだろう。それくらい、歴史的にも、地政学的にもあまりにも矛盾した「異国」が稚内のすぐ側にあるのはなんという認識不足だろうか。チェーホフが訪れたときに対応した島民の子孫が、今でも祖先がチェーホフと交流したことを誇りに思っているとの内容のパネルがあり、文豪の存在がいかに大きいのか、その偉大さを感じた。そんなことを感じた次第である。